香港を「もっと」好きになる活動記録

香港が好き!!と自信を持って言える様に、香港の良い所に目を向けて行こうと思います。

落ちこぼれと個性について

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香港に関係ない話の様ですが、今、こうして香港で働く原動力になったのかな?と最近思っている話です。

 

落ちこぼれって言葉、嫌ですよね。。。でもそんな嫌な言葉を投げかけられた事が一度有ります。親にも話していませんが、小学校一年生の時です。小学校と中学校、エスカレーター式のいわゆる進学校に通っていました。完全な管理教育で教師の指示通りに動く事が求められる校風でした。

 

とある日の音楽の授業。先生は非常勤のおじいちゃん先生ですが、誰もが知っている童謡を作曲した著名な音楽家だとか。。その日はピアニカの授業で、授業の終わりに近づきピアニカをケースにしまった段階で、ある生徒が挙手。

 

「これ、落ちていました!」

 

ピアニカの口を当てて吹く短いパーツが落ちていた事を報告。ちなみに授業では蛇腹の長い方を利用していました。

 

「落とした人?」と先生が尋ねましたが、静まり返るクラス。では、とクラス全員、再びケースの蓋を開け、中身を確認させられた所、、、

 

「ワイのやん、、、汗」

 

パーツがケースに無い人は手を挙げなさいと言われたので、恐る恐る手を挙げる私。。。するとおじいちゃん先生、笑顔で近づいて来て、こう言いました。

 

「みんなと同じ事が普通に出来ない人を落ちこぼれと言います。それは手で砂場の砂をすくった時に指の隙間からこぼれる砂の様だからです。」

 

怒られているのかすらもよく分かりませんでしたが、今の表現で言う「ディすられてるな」と言う事は感じました。そして、この経験から決意した事。

 

「目立たない様に凡人になる!!」

 

でした。そしてそこから数年、ひたすら凡人道を追求しました。勉強もスポーツも普通、面白い事を言う訳でもなく、いてもいなくても良いくらいの人に。

 

そんな私に逆風が、、、。父の仕事の関係で海外に転校する事になってしまいました。数年後に戻ると「海外帰りのKyuTA 君」と言う普通じゃない人になってしまったのです。

 

そして中学に入り英語の授業が始まると、やっぱり他の子よりもちょっと出来てしまう。。進学校だから、他の教科がパッとしない自分が英語だけ出来るのが許されない雰囲気で「海外に行っていたから英語が出来てズルイ!」と頻繁に言われました。

 

自分が望んでいた「凡人」どころか「ズルイ人」になってしまった事に焦り、英語の授業に意図的に力を入れない様にしていたら、中学3年までには成績も下がり、また凡人になれました。

 

そんな自分に運命的な転機が訪れたのが高校に入学してからです。なんとなく受験した第3希望の高校での事です。そんなにカリカリした進学校ではない男子校だったのですが、初めての英語のテストで油断して92点を取ってしまいました。

 

男子校でデリカシーゼロなのでテストを配る時に先生が「KyuTAは92点!学年3位!」とか軽いノリで発表しちゃうんです。。。その時のクラスのリアクションが「おー!!」みたいな感じで、しかも斜め前に座っていたI田君、振り返って、「なんでそんな点数取れるの⁈」って質問を。

 

「子供の頃に海外行ってたから、、、英語だけなんだけど、、、」

 

と自分のズルさに消えてしまいたい気分で弁明したら

 

「すっげー!!かっこよすぎ!!😁」

 

ってキラキラした目で言ってくれました。30年近く経ちますが、あの時のI田君のキラキラした目は脳裏に焼き付いています。救われました。自分はズルくないんだ。これって個性?海外で苦労して英語を学べたのは良かったんだって思える様になったきっかけでした。

 

そこから性格も変わり、色んな事に積極的に向き合える様になりました。

 

年月が経ち、普通の生き方って何?って感じに新卒で入社した会社を辞めて無職になったり、転職したり、海外で起業したり、挙句の果てに破産しかけたり、何とかギリギリのところで立て直したり(←今、ここ)。。。

 

今、自由に生活しているのは小学校1年生の私に落ちこぼれと言った著名な音楽家ではなく、たまたま進学した第3希望の学校で出会う事が出来た同級生や先生のおかげだと心から思っています。

 

出会いに感謝です。