香港を「もっと」好きになる活動記録

香港が好き!!と自信を持って言える様に、香港の良い所に目を向けて行こうと思います。

自転車に関する衝撃の出来事と思い出

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日本から香港へ引っ越しをする際に、当時乗っていた自転車を引き取ってもらった友人から先日連絡がありました。その自転車を使ってくれていた彼女の甥御さんが他県に引っ越す事になったので、そのまま持って行って良いか?との事でした。

 

もちろん良いよ!!と快諾をし、新たな犯登録に必要な名義変更手続きの書類を送りました。

 

その自転車は当時、既に新品でもなく高い物ではありませんでしたが、処分したくなかったのには理由があります。その理由を説明する上で、その前の自転車(初代とします)について言及する必要があります。

 

【初代との出会い】

新入社員の頃、千葉県の事業所配属になりました。寮から職場まではバスなのですが、バスだとぐるぐる回るので45分もかかりました。とある週末、実家に帰っていた時にスポーツ用品店のセールの広告を新聞で見つけた父に誘われついて行きました。そこでたまたま販売していたマウンテンバイクをセール特有の高揚感で何故か父が買ってくれました笑。

 

それからは通勤時間は20分に短縮されましたし、意味もなく房総半島を横断してみたりと活躍していました。

 

【修理が必要となり放置していた初代】

その後、何度か転勤があったり、父が亡くなったり。。。初代にも乗る機会が徐々に減り、錆びついてしまって修理が必要な状態になっていました。

 

【専門店に修理を依頼する】

当時働いていた会社が運営する商業施設にオシャレな輸入自転車屋さんがテナントとして入っていました。店員さんも顔見知りなので相談すると、取り扱いブランドではないですが修理してくれることになりました。初代をお店に持っていくと「2週間で直します!!。1万円かからないっすよ」と店員A氏。その時にも「亡くなった父が買ってくれた自転車なのでいくらかかっても構わないので乗れる状態にして下さい」と依頼しました。

 

2週間程してお店に行くと「すみません、バタバタしてて・・・」との事。さらに2週間後も「ほんとにすみませんっ!!まだできてないです・・・」という事を4回くらい繰り返し、まあ冬の間は乗らないし、春までにお願いしますね!というだけ伝えました。

 

【春になってまさかの展開】

春になり、さすがにそろそろ・・・と思いお店に行くと、店員A氏、退職済。。。後任の店員B氏に話をしたものの引継ぎを受けていないとのことで「ちょっと調べさせてください」との事でした。そして数日後、店員B氏から電話がありました。

 

「店員Aが記録を残していなかったので、倉庫を移転した際に廃棄してしまったようです・・・。追って会社としての対応をご連絡します。」

 

「こんな事って有るの?」って驚きと悔しさでその日は泣いてしまいました。訴えてやると思いましたが、所詮中古の自転車、どんなに思いが詰まっていても裁判で莫大な慰謝料が取れる訳ではないと。そして父も分かってくれるからと母に諭されました。

 

【会社に告げ口をする】

数日後、個人的な思いはさておき、会社が関わっている施設での事だったので上司に報告をしました。クールな上司もすごく怒って、すぐに先方の社長を呼び出し、話し合いがもたれました。

 

「たまたまうちの社員だから良かったようなもんですが、一般のお客さんだとしたら商業施設全体の問題になりますよ」と上司からの正論。「Kyutaへどの様な対応をなさるのかは当事者間で話し合うにしても、まず業務のフローを見直してください」と厳しく指導をしていました。

 

先方の社長さん、大変感じの良い初老の男性だったのですが、私に謝罪をする際、目には涙に浮かべつつ、手も震えていました。自転車を商売にしているだけあって、自転車に対する私の思いと事の重大さを分かっているんだな・・・との印象で溜飲が下がる気がしました。

 

【後日の対応】

後日、社長さんが私に会いに来ました。私が知らないところで上司から「まずはKyutaの自転車と同じ型を探せ!!」と指示があったそうですが、あいにく廃盤品なので見つけられませんでしたと。。その上で、その会社で扱う自転車、どれでも良いので差し上げますと言われました。

 

「御社とは今後、関わりたくないので、申し訳ありませんが御社の自転車には乗れません」とお断りしたところ、それであればこういう形で申し訳ないですがと差し出された封筒。中身は10万円。父が買ってくれた初代、おそらく4万円前後だと思うので、納得できる金額でした。

 

【慰謝料で迎えた二代目】

その10万円で新たに買ったのが二代目です。3万円弱でした。。。それでも間接的には父が買ってくれた自転車だと思い、散々乗っていました。そして転勤の時、友人に話をしたら甥御さんが通学に自転車が必要かもと聞いてくれ、引き取ってもらったのでした。

 

【まとめ】

あれから10年も大切に乗ってくれている甥御さんには感謝の気持ちしかありません。そして思い返すと当時の上司だったり、何度も倉庫内を探してくれた店員B氏、手を震わせながら謝ってくださった社長。。。そしてセールでテンション上がって初代を買ってくれた父。先日の友人からの連絡のおかげで色々な人への感謝の思いを気づかせてもらいました。

 

店員Aだけは一生許しませんけど。。笑