今週のお題「怖い話」という事で、宜保愛子さん、覚えていますか？80年代から90年代にテレビで大活躍された霊能者さんです。「怖がらせてやろう」という様なテレビ的な対応ではなく、いたって普通のおばさんが淡々と「あの上にたくさん霊がいますね～」とか言うのが本当っぽくて、当時テレビに釘付けになっていました。
そんな宜保愛子さん、香港にも番組の取材で訪れているんです。その動画がこちらです。
宜保愛子さんと新倉イワオさんが香港島南部にある誰も住んでいない大邸宅を見て回るのですが「女の人がじっと見ている」とか「人間の顔をした鳥がいる」などと霊視をしていきます。動画の長さは実質16:40くらいで、その後、また繰り返されます。
※12:21-12:30あたりで宜保さんが絶叫するので音量注意です。
香港在住者として以前から「いったいここはどこなの？」というのが気になっていました。detail.chiebukuro.yahoo.co.jp
こちらのYahoo!!知恵袋でも場所の特定はできないという回答だったので、香港在住者の意地をかけ、本気で調べてみました。
1. 番組から得られた手がかり
香港島南部。大邸宅。奥さんが大勢いた。などなど。あとは画面に映される景色です。
観ていて地形的にレパルスベイ（淺水灣）辺りの様に感じましたが、まずはこの画像を香港島南側に住んでいる香港人を含む3名に問い合わせましたが、情報は得られませんでした。
2. ネットで調査
「Haunted place Hong Kong」（香港の心霊スポット）でネットで検索したところ、香港市内のあちらこちらの情報を得られました。これはこれとして興味深いのですが、宜保さんが訪れた幽霊屋敷ではありませんでした。
そこで今度は仮説を元に「Repulse Bay Haunted」（レパルスベイの心霊スポット）で検索するとこちらのページに行き付きました。
このページの中の建物の画像が完全一致！！という事でここで間違いないと思います。
3. 建物の名前は【Eucliffe】
その建物は余東旋(Eu Tong Seng）という大富豪が1933年に建てた大邸宅で【Eucliffe】と呼ばれていました。 余東旋はマレーシア産まれの華僑ですが、ゴムや錫の取引の他、更には現存する漢方薬販売のチェーン店（余仁生）を成功させた人としても有名です。
番組の中ではこの邸宅の三代目には奥さんが三人いて、その中で夫から愛情を失って亡くなった第二夫人の霊だとの解説でしたが、前述の記事によると、このEucliffeは日本が香港を占領した1941年、日本軍に接収され、54人の捕虜がここで処刑されたと記事には書かれています。日本人としては知っておくべき歴史ですね。。。
【Eucliffe】は残念ながら番組放送後の1989年末には取り壊されてしまい、当時の姿を見る事が出来ないそうです。
4. 建物の跡地は？
【Eucliffe】をGoogle Mapで検索すると今でも表示されます。
この時に表示される住所が「58 Repulse Bay Road」です。そこでこの住所で逆にGoogle Mapを検索されると今度は【Royal Cliff】と表示されました。これが現在の名称なのかと思ったのですが不動産情報で検索すると【56 Repulse Bay Road】と少しだけ番地がずれた物件が表示されます。
上記のページでは「元Royal Cliff」と書いてあるので、おそらく、Eucliffeの跡地の現在の建物かと考えらえます。なお月の家賃、230万円以上はする高級住宅みたいです・・・。
５．まとめ
以前から気になっていた宜保さんが訪問した幽霊屋敷ですが、場所を特定する事ができました。宜保さんを絶叫させた数々の霊ですが、日本に帰った後も宜保さんが供養をし続けているとの事でした。供養が終われば霊がいなくなり普通に住めるとも言っているので、ご安心下さい。
今回、調べるにあたり、他にも香港の心霊スポットの情報を得る事が出来ました。そしてその多くに「日本軍」が関わっている事を知り、香港と日本の関係だったり、歴史について考えさせられました。他のスポットもいつかご紹介したいと思います。
