政治的なことを書くつもりはありません。でも香港に住んでいて、今回のデモに触れないのは不自然なので。。。せめて日本にいる方に知ってもらえればと思って書きました。特定の人物、団体、国を批判するものではありませんのでご承知おき願います。
6月9日に大規模なデモがあったことは日本でも報道されていると思います。主催者発表とは言え103万人が参加したということは、香港の人口の7人に1人が参加したということです。
逃亡犯条例
この大規模デモのきっかけとなったのが「逃亡犯条例」。これは逃亡している刑事事件容疑者を他国へと引き渡すことの手続きを簡略化する条例です。昨年、台湾において、香港人男性が交際中の香港人女性を殺害する事件がありました。容疑者の香港人は香港に逃げ帰ってきてしまいましたが、犯罪者を引き渡す条例が台湾との間にない為、殺人事件の容疑者として台湾へ引き渡すことが出来ていません。
何故、多くの人が反対しているのか?
前述の様に殺人容疑者が罪を問われない状況は明らかにおかしいと思いますが、それでも多くの香港人が反対をしている理由は、やはり中国を意識してのことです。反中の民主化運動をしている香港人が、これにより中国に簡単に移送されるのでは?と恐れいている為です。
過去には反中的な書籍を販売していた書店関係者が不法に香港から中国に連れていかれた事件もありましたので、やはり不安は感じますね。
条例が改正された場合、香港人に限らず、香港に住む外国人や香港を訪問している外国人も対象となりますので、他人事ではないです。。。
デモの影響
日曜日の大規模デモで世界的に報道されましたが、香港の行政長官は、既にヒアリングを様々な分野の人からしており、これは香港にとって必要なステップなので、必ず進めると強気な発言をしています。
条例が必要だとしても運用面で市民が納得する様に明確にするなど出来ないのでしょうか??
過去のデモ
2014年には行政長官の直接選挙を求めた大規模なデモが学生を中心におき、「雨傘運動」として世界的にも話題になりました。もう5年も前なんですね。。
当時、現場にも行きましたが、本当に平和的な座り込みデモでした。勉強しながら座り込み活動をしている学生や、笑顔で水を配る子、ごみを回収する子など、香港ってこんなにマナー良かったかな?と。。。
香港独立だとか反中とかではなく、純粋に自分たちの街を良くしたい!!との情熱が、いつの間にか警察vsデモ隊だったり、道路占拠に迷惑をしている商店vsデモ隊などとうまいこと争点がずらされ、最終的に強制撤去されました。
この先、どうなる?
今回のデモでも一部暴徒化し、警察と衝突ってニュースになっていましたが、ニュース映像をみると、警察、明らかにやるき満々で挑発的な印象を受けました。103万人参加の平和的なデモとして終わらせる訳にはいかないという事なのか、デモ隊を暴徒と印象付けたかったのではないかと思ってしまいました。
明日から議会での法案審議が開始されるので、さらにデモを呼び掛けています。平和的収束して欲しいです。そして香港政府には、すこしは市民の声に耳を傾けて欲しいです。
もし市民の声を無視して進めれば、香港を諦めてしまう若者が一気に増えると思います。今年の1月の記事ですが、既に若者の半数が海外への移住を希望しているそうです。
香港にはいつまでも活気があっていて夢のあるキラキラした街でいて欲しいです。ただそれだけなんですけどね。。。